名画鑑賞会

高崎電気館名画鑑賞会

2018年1月26日(金)〜1月30日(火
主催:高崎電気館/NPO法人たかさきコミュニティシネマ/高崎市/文化庁/東京国立近代美術館フィルムセンター
特別協賛:木下グループ 協力:株式会社オーエムシー

料金:1名様・1作品券500円


『暁の脱走』 [1950年 新東宝 白黒 スタ ンダード 110分]
[スタッフ]監督:谷口千吉 原作:田村泰次郎 脚本:黒澤明/谷口 千吉 製作:田中友幸
撮影:三村明 照明:大沼正喜 録音:神谷正和尚 音楽:早坂文雄 美術:松山崇
[出演者]池部良/小沢栄/山口淑子/伊豆肇/田中春男/柳谷寛/清 川荘司/若山セツコ/立花満枝/安隻三枝/利根はるえ
[解説]肉体派文学を提唱し、一世を風靡した田村泰次郎による人気小 説「春婦伝」を、監督デビュー3作目の谷口千吉が映画化した戦後反戦映画の代表作。敗戦間近の中国戦線で激しい恋に落ちた上等兵の三上(池部良)と慰問団 の歌手・春美(山口淑子)は、敵の捕虜となって送り還されてくる。二人を迎えたのは数々の汚名と上官の嫉妬。軍曹の助けを借り、部隊からの脱走を試みる二 人に、残酷な結末が待ち受けていた。谷口と黒澤明が共同で執筆した初稿シナリオは占領軍の検閲官により何度も書き直しを命じられ、難産のうえに完成を見た 作品であったが、満洲映画協会のスター「李香蘭」として活躍していた山口をはじめ、中国で捕虜になった谷口、中国戦線に従軍していた池部、田村と、外地で の体験を持つスタッフ・キャストの結集により、日本軍の非人道的な階級制度を激しく糾弾する野心作となった。1950年度『キネマ旬報』ベストテン第3 位。翌年のカンヌ映画祭へ日本からの正式作品として出品されるとともに、香港および東南アジア諸国に輸出された戦後初の日本映画である。


『嵐を呼ぶ男』 [1957年 日活 カラー シ ネマスコープ 101分]
[スタッフ]監 督:井上梅次 原作:井上梅次 脚本:井上梅次/西島大 製作:児井英生
撮影:岩佐一泉 照明:藤林甲 録音:福島信雅 音楽:大森盛太郎 美術:中村公彦
[出演者]石 原裕次郎/北原三枝/金子信雄/芦川いづみ/白木マリ/青山恭二/小夜福子/笈田敏夫/岡田真澄/市村俊幸
[解説]実 兄・石原慎太郎の小説を映画化した『太陽の季節』(1956)でデビューした石原裕次郎は、中平康の『狂った果実』(1956)や田坂具隆の『乳母車』 (1956)など、新鋭、ベテラン監督の話題作に出演し、着実にスターの道を歩み始めた。港町を舞台にした『俺は待ってるぜ』(1957、蔵原惟繕監督) では、「ここではないどこか」を求める孤独な青年を、甘い感傷を交えて演じ、自らのイメージをスクリーン上に描き出した。また同名の主題歌もヒットさせ、 歌う映画スターとしての出発とした。本作はその裕次郎のイメージを決定的にした記念碑的な作品である。1958年の正月映画として公開され、総配収3億 5,600万円(当時の平均入場料62円)を超える大ヒットとなり、1954年に製作を再開した日活にとっても、その後を決定づけた作品である。監督の井 上梅次は新東宝からの移籍組だが、裕次郎が指を負傷してドラムを叩くことができず、とっさにマイクを握って歌い始めるというツボを押さえた演出で観客を楽 しませ、この一代の大スターの誕生を導き出した。


『隠し砦の三悪人』 [1958年  東宝 白黒 シネマスコープ 138分]
[スタッフ]監督:黒澤明 脚本:菊島隆三/小国英雄/橋本忍/黒澤明 製作:黒澤明/藤本真澄
撮影:山崎市雄 照明:猪原一郎 録音:矢野口文雄/下永尚 音楽:佐藤勝 美術:村木与四郎
[出演者]三 船敏郎/上原美佐/千秋実/藤原釜足/藤田進/志村喬/樋口年子/三好栄子/加藤武/三井弘次/上田吉二郎
[解説]時 は戦国時代。隣国との戦いに敗れた秋月家の侍大将=三船敏郎は、残された姫を擁し、隠しておいた軍用金を掘りだして、敵中突破を図ろうとしていた。同盟国 に脱出するためである。 二人の百姓を狂言まわしに使い、お家再興にまつわる宝探し、敵中横断にともなう追っかけなどを盛りこんだ作品。襲いかかるさまざまな難関、手に汗握るスリ リングな場面が連続する。そのようなシチュエーションをいかに面白く組み立てるかに三人の脚本家、菊島隆三、小国英雄、橋本忍と黒澤明は大いに知恵を絞っ たという。観客を決して飽きさせないという決意のようなものもうかがえるシナリオである。 この映画が製作された1958年は、映画館入場者数が史上最高の11億2745万人を数えた年である。この時、映画は文字どおり大衆娯楽の王者であり、そ してこの作品は、まさにその記念すべき年にふさわしい作品であった。「キネマ旬報」ベストテン第2位。1959年ベルリン国際映画祭監督賞、国際映画批評 家賞を受賞。


『悪名』 [1961 年  大映(京都) カラー シネマスコープ 94分]
[スタッフ]監督:田中徳三 原作:今東光 脚色:依田義賢
撮影:宮川一夫 照明:岡本健一 録音:大谷巌 音楽:鏑木創 美術:内藤昭
[出演者]勝新太郎/田宮二郎/中村玉緒/水谷良重/中田康子/千葉 敏郎/永田靖/山茶花究/阿井美千子/倉田マユミ/藤原礼子
[解説]喧嘩は強いが情けには弱い、痛快無類の好男子、八尾の朝吉 (勝新太郎)の活躍を描いた娯楽映画。威勢のいい河内弁と激しいアクションで話題を呼んだ。今東光の人気小説を大映京都撮影所のスタッフ・キャストが見事 なチームワークで映画化している。監督の田中徳三、脚本の依田義賢、カメラの宮川一夫、美術の内藤昭、照明の岡本健一、録音の大谷巌らは、日本映画の巨匠 として知られる溝口健二監督の諸作品を支えた一流のスタッフである。セット、照明、撮影のコンビネーション、画面の隅々まで行き届いたその技術力を堪能す ることができるだろう。撮影所という夢の工場が十分に機能していたことを知ることができる一篇でもある。モートルの貞を演じた田宮二郎と勝新太郎のコンビ も絶妙で興行的にも大ヒット、本作以降シリーズ化されて大映では15本製作された。そのほとんどの脚本を手掛けた依田義賢によれば、物語はある時期からは 原作を離れ、シナリオ作家の創作だったとのことである。


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